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■【コラム】オペレーショナル・エクセレンスとシックスシグマ■

海外では、「シックスシグマ/リーンシックスシグマはオペレーショナル・エクセレンス実現のための実践的手法」といわれています。この意味を理解するために、ここではオペレーショナル・エクセレンスについて解説します。

 

オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence)とは

M・トレーシーとF・ウィアセーマによって書かれた「ナンバーワン企業の法則―勝者が選んだポジショニング」(日経ビジネス人文庫)において提唱された概念で、優良企業の3つの価値基準(オペレーショナル・エクセレンス、プロダクト・イノベーション、カスタマー・インテンシティ)の1つとされています。

特にオペレーショナル・エクセレンス(略称Opex)は、現場の業務遂行力が、競争上の優位性を持つレベルとなるまでに鍛え上げられた状態を指します。

 

オペレーショナル・エクセレンスの特色

Opexでは、QCD(品質、コスト、スピード)における高い優位性を、生産や販売などの現場が組織能力を向上させることにより実現し、その結果として競合企業に打ち勝つことを目指しています。経営戦略として革新的な製品を投入し、一気に顧客支持の獲得を狙うという、いわば大当たりの確率論的な方策だけに頼るのではなく、地道な業務改善を積み重ねて持続的な成果実現に繋げることが目的です。

組織の業務遂行能力のレベルアップには時間がかかるものの、一度競合との差をつけることができれば、容易に追いつかれることはありません。つまり「急がば回れ」という発想で、中長期的な業務レベル向上の取り組みが必要となるのです。

 

シックスシグマ/リーンシックスシグマ(SS/LSS)の活用

Opexを実現している代表例としては、ゼネラル・エレクトリック(GE)など、有力外資系企業が挙げられます。

Opex実現には、組織能力を高めるべく現場改善活動を体系的に実践することが必要です。この体系的な現場改善活動のベースとなる方法論として、SS/LSSが非常に効果的だと考えられたため、多くの企業で活用されているわけです。

このような背景から、海外では、OpexがSS/LSSと同義に使われるケースがしばしば見られます。また同じ意味合いで「プロセス・エクセレンス(Process Excellence、略称Pex)」も使われます。

このように、従来から日本企業が得意としてきた現場力向上によって企業の競争力を高めるという発想が、(日本以外の)グローバルな世界ではOpexとして再定義され、最近注目を集めているということなのです。